V(バリオ)からI(カンビア)へ
アヤノでは珍しく一体型アイテムの設定があり、カウンター3タイプ×上キャビネット2タイプの組み合わせで高さが豊富に選べるのが特長だったVシリーズ。
2020年の9月末で廃盤となり、新しくIシリーズとして生まれ変わりました。
Iカンビア | 最高品質の家具メーカー株式会社綾野製作所
大まかな特長は引き継いでいますが、一部内容が変更になっています。
主な変更点は以下のとおりです。
下台の高さが3タイプ→2タイプに
Vシリーズではハイカウンター(963mm)・ミドルハイカウンター(913mm)・ミドルカウンター(863mm)と3タイプあった下台が、ハイカウンターとミドルハイカウンターの2タイプに減りました。
先日こちらの記事でアヤノCXシリーズの実例をご紹介した際に、「ミドルカウンター最強の商品」とご紹介しました。ミドルカウンターの役割はCXシリーズに譲ったということなのかな?と思いました。
上キャビネットがロータイプ(1007mm)とハイタイプ(1107mm)の2タイプですので、組合せ高さは1920mm・1970mm・2020mm・2070mmの4タイプとなります。
一体型アイテムの幅の選択肢が増えた
Vシリーズでは下キャビネットの一体型アイテムのラインナップは「4段引出し+家電収納」(家電収納はむかって右側固定)の幅100cm・120cmと「開き戸+4段引出し+家電収納」(同じく位置入れ替え不可)の幅140cm・160cmだけでした。
Iシリーズでは組合せは「4段引出し+家電収納」のみとなり、幅が80cm~160cmまで10cm単位で設定されました。
家電収納位置は変わらず向かって右側固定ですが、家電収納の右側に開き戸をレイアウトすることも可能になりました。
一体型アイテムの魅力はコストパフォーマンスの高さですが、幅の選択肢が増えたことで、より様々な広さのキッチンに設置しやすくなったと思います。
下キャビネットに新たなアイテムが増えた
上記項目と関連しますが、新たなアイテムとして「オープン」と「スリムストッカー」(幅20cmと30cm)が追加されました。一体型と組み合わせることで、より自由度の高いレイアウトが可能となりました。
カスタマイズ色の選択肢が増えた
アヤノでは有料の「カラーオーダー60色」の他に、金額が変わらずに選べる「定番色」と「カスタマイズ色」の設定があります。
商品シリーズにより色の設定(色味・色数)は変わります。Vシリーズは納期なしの定番色「ホワイト」、納期ありのカスタマイズ色「ホワイト木目」の2色展開でした。
Iシリーズでは、定番色+カスタマイズ色(9種類)の、全10色から選ぶことができるようになりました。
ちなみに他の商品シリーズ同様、カラーオーダー(60色)に対応しています。
他のシリーズとの違い
商品リニューアルによる主な変更点は以上になります。V(バリオ)より選択肢が広がり、魅力的な商品にリニューアルされたと言えると思います。
そもそもの部分でいうと、他の商品シリーズと違いアヤノの中ではコストパフォーマンス重視の商品という位置づけです。I(カンビア)シリーズが他の商品シリーズと異なる点を簡単にご説明します。
「4段引出し」は単体での選択不可
下台のアイテムでほとんどの場合採用される「4段引出し」ですが、Iシリーズでは4段引出し単体での選択が不可となっています。
※「4段引出し」の右側に「家電収納+引出し」が一体となったアイテムをお選びいただく必要があります
パモウナではこのような一体型商品が中心ですが、アヤノではIシリーズのみ部分的に一体型を採用しています。
例えばパモウナではレイアウト固定商品(BOXスタンダード)では下台の追加・入れ替えは不可(上台も含めて全体で一体のつくり)ですが、アヤノでは一部分(4段引出し+家電収納)のみ一体型となっているため、今回の実例のように一体型アイテムの右側にオープンを組み合わせたり、上台を引戸+家電タワーにしたりといった変更が可能です。
レイアウトの自由度はパモウナの一体型商品よりは高いと言えます。
また、パモウナの一体型商品のほとんどが全体幅20cm刻みですが、Iシリーズは全体幅10cm刻みなので、その点でも自由度は高いです。
引出し内装はホワイト仕上げ
他の商品は基本的に引出し内装は「ウォールナット調の木目」仕上げですが、Iシリーズはシンプルに「ホワイト」仕上げとなっています。
見た目にはパモウナNEシリーズの「アドバンスグレード」と「ベーシックグレード」のような違いがあります。
ただし、アヤノIシリーズは引出しシステム自体は「イノテック・アティラ」で他のシリーズと同じグレードのため、耐荷重やフルスライドである点は上位グレードの商品と変わりません。
見た目部分でコストを抑えながら、基本的なつくりはしっかりとしています。
上台引戸はシングルソフトクローズ
アヤノは基本的に上台引戸は「デュアルソフトクローズ(開け閉め両方ソフトクローズ)」なのですが、Iシリーズのみ「シングルソフトクローズ(閉める方のみソフトクローズ)」となっています。
細かい部分ですが、引戸のつくりも他の商品が「アウトセット」なのに対し、Iシリーズは「インセット」になっています。
※アウトセットのほうが引戸の取手部分が側板ぎりぎりまでくるので、見た目がすっきりしています。
家電収納の上部にモイスなし
アヤノでは水蒸気・におい対策として「モイス」を採用しています。一般的な組合せの場合、家電を置く場所の上部にあたる「上キャビネットのカウンター上部」と「家電収納の上部」はモイス仕様となっていますが、Iシリーズでは家電収納の上部はモイス仕様となっていません。
基本的に炊飯時はスライドテーブルを引き出して使うため、支障はないと思いますが、この辺りもIシリーズはコストを抑えたつくりとなっています。
背板は鏡面ポリ合板
背板部分のつくりは商品により異なります。
◎PS・AX・KN:メラミン
◎CX:アルミコート
◎I・SH:鏡面ポリ合板
◎RE/RK:プリント合板
Iシリーズは背板部分がホワイトなので、見た目の印象がすっきりしています。
上台は開き戸・引き戸とも幅80cmから設定あり
アヤノでは「開き戸対応」と呼べる商品はこちらの「Iシリーズ」と「Rシリーズ」のみとなります。
特に開き戸の幅80cm・90cmを選ぶ場合はIシリーズのみの対応となります。(Rシリーズは幅100cm以上)
また、引き戸についても他のシリーズが基本的に幅100cmからの設定なのに対し、幅80cmから対応しています。
※より新しい「SWシリーズ」は引き戸のみ幅80cm・90cmの対応あり(ただしシングルソフトクローズになります)
今回の実例内容
【アヤノIシリーズ】
①上台引戸:IL-160FS
②下台(左)4段引出+家電:IM-100K
③下台(右)オープン60cm幅:IM-60BO
④天板:TN-160SF
※本体色:定番色(パールホワイト)
※天板色:標準色(ホワイト)
【サイズ】
・本体:W1600*D500*H1920mm(ミドルハイカウンターH913)
今回は食器棚背面、1960mmの高さに梁が出ており、その下にちょうど納まる高さということで Iシリーズをお選びいただきました。
ちょうどVからIへの商品入れ替えの時期でご迷惑をおかけしましたが、結果レイアウトの選択肢が増えて喜んでいただきました。O様ありがとうございました!
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記事内で触れた上台扉(引戸・開き戸)についてまとめています
beorc.hatenablog.jp
パモウナNEの引出しグレードの違いはこちらの記事をご参照ください
beorc.hatenablog.jp