interior design office BEORCブログ|居心地のよいインテリアデザイン・リフォーム|NCDのカラー&イメージ講座|福岡

ベオークのブログへお越しいただきありがとうございます。当社は福岡市にあるインテリアデザイン&リフォーム・リノベーション会社です。デザイン(インテリア全体が調和するご提案)と施工の両方ができるのが強みです。このブログでは主に当社の実例と、株式会社日本カラーデザイン研究所(NCD)と共催するカラー&イメージ講座についてご紹介します。Instagramからお越しの方は、「ブログ内検索」や記事に付けている「タグ」から該当記事をお探しいただけると幸いです。よろしくお願いいたします。

アヤノSW(スタイン)実例と特長【メラミン品番指定:イビケンTX-3514AS】

SW(スタイン)とは?

www.ayano-craft.co.jp
2022年10月で廃番となった綾野製作所(アヤノ)の食器棚「LX(ラクシア)シリーズ」の後継商品となります。

綾野製作所のボリュームゾーンである「Aクラス」に属するという位置づけ(他にAXシリーズ・CXシリーズ)や、ハイカウンター(H963mm)商品であるといった基本的な部分に変更はありません。

LXシリーズは、常時アヤノ食器棚の中で3位以内の売上を誇る人気商品だったようです。ただ、2015年の発売から7年経ち、年々デザインを重視するお客様が増えているという調査結果をもとに、新商品の開発が決まりました。

『デザインと機能の融合』をテーマに、生まれ変わった「SW(スタイン)シリーズ」。
LXからの主な変更点をご紹介します。


LXからの変更点①【上キャビネット・上置】

新SWの上キャビネット(正面から)
旧LXの上キャビネット(正面から)
新SWの上キャビネット(扉開いたところ・内部棚板)
旧LXの上キャビネット(扉開いたところ・内部棚板)
コンセントは形状等、変更なさそうです

上キャビネット(引戸収納)についてはデザイン面での変更がメインになっています。上の比較写真をもとに以下解説します。
 

薄型の天桟(引戸上部)

天桟と上レールを分けることで、従来の天桟よりもスッキリ見えるデザインとなりました。見比べるとLXのほうがより「ぼってり」していて、SWのほうがよりスッキリ見えます。
下でも紹介しますが、上置もプッシュタイプで取手がなくなったので、引戸上がよりスッキリ見えます。
 

新型の引戸取手

取手部分の奥行が浅くなったことにより、従来よりも取手が目立ちにくくなりました。
 

高透過ガラスと新型アルミフレーム
新SWは「高透過ガラス」を採用
旧LXの従来ガラスのほうが棚板が透けて見える印象です

従来のガラスから、AXシリーズで人気の「高透過ガラス」に変更となりました。また、ガラスまわりはラインを細くした新型アルミフレームを採用することで、よりスッキリ見えるデザインとなりました。
 

棚板小口がアルミ調に
むしろLXはアルミ調の小口ではなかったのですね^^;

内部の可動棚板の小口部分も、AX・CX同様にアルミ調樹脂エッジ仕上げとなりました。台輪部分もそうですが、アルミ調になると高級感が増しますね。

ちなみに(アヤノ他シリーズ同様)可動棚のダボはねじ込み式です

 

新色のアルポリック背板
新SWの背板:アルポリック
旧LXの背板:アルミコート

背板が従来の「アルミコート」から、新色の「アルポリック」に変更となりました。メーカー資料だと「ステンカラーのため、より高級感がでるデザイン」と説明があったので、もっとステンレスっぽい色を想像していましたが、落ち着いた色味(モスグリーンっぽい?)という印象です。
 

オープン部分の有効高さアップ

天板上の有効高さが旧LX:472mmに対し、新SW:482mmと10mm高くなりました。
高くはなったのですが、例えばパモウナASは天板上の有効高さを549mmとっています。ヘルシオなど上部から蒸気が出るタイプの大型家電の使用を考えると、個人的には「もう少し有効高さが欲しかった」というのが正直な感想です。

ただ、ASは上台高さが低い(=本体高さが低い)ため、強度の問題もあるから仕方ないのかな?とも思います。


LXからの変更点②【下キャビネット】

上下対応の新型取手
新SWの取手
旧LXの取手
SWでは上下に手がかりがある新型デザインを採用

引出しなどの取手部分は、上下に手がかりがある新型取手となりました。上部手がかりの奥行を浅くしたため、よりスッキリ見えるデザインになっています。

また、特にしゃがんで使用することが多い引出し下部(3段目・4段目)の開閉がスムーズになるよう、機能面にもこだわったとのことです。
 

家電収納下の引出し上部にもモイス
家電収納下の深型引出し内(上部)にもモイスがつきました

アヤノの特長のひとつとして、湿気やにおい対策として「モイス」を採用している点があげられます。上キャビネット引戸収納の底部分(天板上部)や家電収納上部は、炊飯器やポットなどからの水蒸気が出るためモイスがついています。

今回SWでは、家電収納などの「G品番の引出し上部」にモイスが新たに採用されています。深引出し内にダストボックスを入れる際に、「湿気」や「におい」を吸着できるため効果を発揮します。
 

家電収納オープン部もアルポリック仕上げ
家電収納部分の上部は従来からモイスがついています

家電収納部分の奥も背板にあわせてアルポリック仕上げに変わりました。
 

その他

下キャビネットでは他にも以下の点が変更となっているようです。
◎スリムストッカー(30Y)・2段引出し(40BF)の引出しがイノテック・アティラ(ソフトクローズ仕様)に変更。
◎ドアストッカー(扉裏収納)がドアシェルフに変更。側板がないのでサイドからアクセスしやすく、不要な場合の取り外しが可能に。


LXからの変更点③【新アイテムほか】

ピアノ型サイドボックスの新設

こちらはまだ実例がないのでカタログをご参照ください。
SWカタログ2023 | カタログビュー

といってもカタログもなかなか分かりづらいんですよね^^;
簡単にいうと、袖壁(横の壁)にコンセントがある場合も、壁際まで設置できるサイドボックスになります。扉を閉めると従来のサイドボックス同様、壁までピッタリのサイズに見えますが、扉を開けると中の側板が約30mm内側に入ったつくりになっています。
それにより、コンセントにプラグを差してもその隙間内におさまるため、横の壁にコンセントがある場合も壁際に寄せられるというアイテムになります。

最近「横の壁にコンセントがある」というお客様からのお問合せを多くいただいています。従来は主に以下の内容での対応でしたが、そこに新たな解決策が加わりました。
◎「パモウナNEシリーズ」のコーナーキャビネット組合せ
◎側板ではなくアイアンフレームの「アヤノKNシリーズ」
◎側板奥行が浅い「パモウナASシリーズ」(コンセントの位置による)

 

上部スライドテーブル付4段引出しの新設

ほぼすべての方が採用される4段引出しに、「スライドテーブル付」のタイプが追加されました。
※上部スライドテーブルの耐荷重は約20㎏。

プッシュ式のスライドテーブルは、お皿などの仮置きに便利だと思います。ただし注意点が2点あります。
◎スライドテーブル付4段引出しは幅60cmと幅80cmのみに設定
4段引出し自体は幅40cm~100cmまで10cm刻みで設定がありますが、スライドテーブル付は幅60cmか80cmでしかお選びいただけません。

◎収納部分の内寸高さが減る
これは当たり前ではありますが、スライドテーブルがつく分、引出し部分の有効高さが減ります。
ちなみに各引出し内の有効高さは、以下のとおりです。(1段目と2段目の有効高さが低くなります)
・通常の4段引出し
1段目:95mm
2段目:175mm
3段目:175mm
4段目:220mm
・スライドテーブル付4段引出し
1段目:93mm
2段目:100mm
3段目:175mm
4段目:220mm
 

Iシリーズと同じオープンの設定

LXではオープンアイテムは、他シリーズと共通の「引出し+オープン」または「家電収納+オープン」のみでした。

SWでは「I(カンビア)シリーズ」から新設された、シンプルなつくりのオープン(BO)が追加されています。Iとの違いは、新たに幅80cmのアイテムが設定されている点です。
※オープンアイテムの設定と有効幅・高さについてはこちらの記事をご参照ください
beorc.hatenablog.jp
 

ワインボトル収納の新設

SWカタログ2023 | カタログビュー
ワインボトルの収納に特化した上キャビネットアイテム(SW-40FOW)が新設されました。
ワイングラスを収納できるグラスラックや、オープナーを収納できる引出しなどもついているようですが、流石に温度管理はできないのでどれほどの需要があるのか…。上部フラップ扉はゴールドハーフミラー仕様で高級感が演出されるようです。
 

新たなサイズバリエーションの追加

従来からあるアイテムに新たな幅のバリエーションが増えました。
◎上キャビネット・ガラス扉収納に幅30cmのアイテム追加
◎下キャビネット・プッシュ扉収納に幅30cmのアイテム追加
◎上キャビネット・ガラス引戸に幅80cm・幅90cmのアイテム追加(いずれもシングルソフトクローズ)
◎上キャビネット・家電収納に幅40cmのアイテム追加

従来より幅の狭いアイテムが設定されたことにより、全体幅が取れない場合の選択肢が増えました。
 

新色の追加

スタインの登場により、「Nアビスブルー(つや無)」と「Tジェードグリーン(つや無)」の2色が新色として追加されました。※他のシリーズでも選択可能です

それにともない、従来の定番色「Wホワイト(つや有)」が廃番となりました。

新色の2色は今までにない新しい色で、パモウナがモルタル調や石目柄を充実させるなか、また違った展開で面白いと感じました。

追加だけかと思いきや、シンプルな「Wホワイト」が廃番となったのが意外で驚きました。今後標準シート仕様でのホワイト系は「Pパールホワイト」「Hホワイト木目(つや有)」「Jホワイト木目(つや無)」となります。


今回の実例内容

Instagramには動画も載せていますので是非あわせてご覧ください!

www.instagram.com

当社初のSW(スタイン)シリーズの実例です
扉面材はイビケンのメラミン品番指定(TX-3514AS)です

【アヤノSWシリーズ】
①上台引戸:SW-150FS
②天板:TN-150DZ
③引出し+オープン(左):SW-X60B
④4段引出し(中):SW-X50DH
⑤家電収納+引出(右):SW-X40G
⑥上置:UW-X150PZ
※本体色:TX-3514AS(イビケンメラミン品番指定)
※天板色:Dグレイセラミック調

【サイズ】
・本体:W1502*D500*H2020mm(ハイカウンターH963mm)
・上置:W1500*D371*H420mm(CH2450mm)
 

メラミン品番指定:イビケンTX-3514AS
キッチンと同面材でオーダーいただきました

カラーオーダー外でメラミン品番を指定してオーダーすることも可能です。(メラミンが扉対応している必要があります)
カラーオーダーやメラミンについてはこちらの記事で詳しくご説明しています。
beorc.hatenablog.jp
 

上置(取手なくなりました)
下部取手がなくなり、見た目がスッキリしました

上でもご紹介しましたが、取手がなくなりプッシュ方式に変更となりました。上キャビネット引戸収納のアルミフレームと相まって、見た目がかなりすっきりしました。
 

家電収納+引出し
上段・下段とも上部はモイス仕上げです

上でご紹介したとおり、下部引出し収納内にもモイスがついたのが新しい点です。
 

引出し+オープン
今回は従来からある「引出し+オープン」です
ハイカウンターなので引出し収納とオープン部の高さの両立が可能です
引出し内はウォールナット仕上げです

 

天板Dグレイセラミック調
「グレイセラミック調」はアルポリック背板色との相性がよさそうです
シートっぽくない、よい意味で色ムラのある質感です

 

台輪部分
フラットな台輪部分のつくりもアヤノならでは

台輪部分に変更はありませんが、こちらも上キャビネット引戸収納の棚板同様アルミ調の化粧がほどこしてあります。
つくり自体も凹凸のないフラットで、掃除機等による傷がつきにくいという効果も。


まとめ

一言でいうとLXからSWになって「デザインがすっきりした」という点が一番の違いかな?という印象です。特に上キャビネット引戸収納のガラスまわり(アルミフレーム)がかなり薄くすっきりしました。この辺りは「パモウナASシリーズ」も同じような流れだったので、時代の流れなのでしょうね。

個人的には「ピアノ型サイドボックス」が、オーダーする幅によっては良アイテムなのではないかと思いました。最近の新築マンション(特に都会)の傾向として、食器棚置場の背面ではなく横の壁にコンセントをとってある間取りが多いという印象を受けます。
その対応策として、パモウナNE(コーナーキャビネット)とは違った形でご提案が可能になったという点で、ありがたいです。

実はこちらの実例はSW発表直後にご購入いただき、2022年の年末ぎりぎりに納品させていただきました。なかなか時間がとれずご紹介が遅くなってしまい、大変失礼しました。いち早く新商品(しかもメラミン品番指定で)のご依頼をいただき、M様誠にありがとうございました!


当社では食器棚の他、家具カーテン照明などインテリア全般お取扱いしております。福岡県内ではリフォーム・リノベーションなどの工事もおこなっております。
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