interior design office BEORCブログ|居心地のよいインテリアデザイン・リフォーム|NCDのカラー&イメージ講座|福岡

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パモウナ壁面収納PJ実例【カウンター組合せ・L型レイアウト】

PJシリーズ選択の理由

以前こちらの記事でPJシリーズの特徴をご紹介しました。
beorc.hatenablog.jp

このうち、他社の壁面収納と比べても、PJシリーズが特徴的なのが「奥行が浅い」という点です。
※パモウナPJシリーズの奥行は416mmです

他の壁面収納の奥行を調べてみると…
◎パモウナCAシリーズ(PJの前の商品):奥行450mm
アヤノR(アリシア)シリーズ:奥行450mm
アヤノAB(バレッタ)シリーズ:奥行450mm
Panasonicキュビオス:465mm(TVボード組合せ時・背板あり+前面扉ありの場合)
ダイケンMiSEL:奥行450mm(TVボード組合せ時)
※キュビオスとMiSELは壁面固定タイプのため、より浅い奥行の設定はありますが、リビングにテレビボードとして設置する場合の奥行としています。

こうして比較してみても、PJシリーズの奥行が浅いということがお分かりいただけると思います。

奥行が浅いメリット

当然奥行が浅い分、内部の収納量は減る形にはなります。

ただ、壁面収納が横から見える間取りの場合、奥行が浅いほうが圧迫感を感じにくいという大きなメリットがあります。

横から見える場合、数cm奥行が深いと圧迫感を感じる場合も
巾木カット加工があるため、壁面ギリギリまで寄せられる点もメリットです


こちらのお客様の間取りでは
◎玄関からリビングダイニングに入ってきたときに壁面収納の側面(厚み=奥行)が見える
◎洋室の出入口建具の真横まで壁面収納がくる(より圧迫感を感じやすい)

という配置となったため、PJシリーズの「少しでも奥行が浅く圧迫感を感じにくい」という点が決め手となりました。

ちなみに巾木カットですが、
〇パモウナ・アヤノ:巾木カットあり
△ダイケンMiSEL:ベースユニットには巾木カットがあるが、エンドパネルを組み合わせる場合は現場施工が必要
✖Panasonicキュビオス:巾木カット対応なし
となっています。

Panasonicキュビオスは基本的に「新築時にあわせて計画・設置工事をする商品」という印象です。
後続のダイケンMiSELも壁に固定する工事は必要ですが、オンボード工法や巾木カット対応など、後からでも施工がしやすい工夫がされているため、リフォームでも扱いやすい商品と言えそうです。

その点、置き型のパモウナ・アヤノの壁面収納は、「巾木カットや壁面固定などの施工が必要ない」「商品がユニットごとに届くため組立ても比較的簡単」「固定型商品より価格が抑えられる」という点が大きな特長と言えます。


レイアウト計画の重要性

壁面収納を計画する場合にポイントとなるのが
◎壁面全体の幅・高さ
◎壁面のうちどの部分を収納とするか(壁面全体・L型・カウンターのみなど)
◎壁面収納に入れたいものの内容(サイズ・量など)
◎配線をどうするか(収納内にプリンターやFAXを置く場合)
◎上記項目を踏まえてどのアイテムを組み合わせるか

といった点になります。

設置前。右上のエアコンをかわす必要があります
エアコン横は将来的なエアコン交換時を見据え10cmの余裕をみることにしました
家電を収納する場合、配線や背板穴あけ位置など事前計画が重要です

プリンターや電話機(FAX)を収納したい場合、使いやすい高さはキャビネット内の固定棚(H1094mm)より上になります。

PJシリーズは下台には左右側板の共通位置に配線孔が開いており、そこを通して固定棚下までは配線ができる(可動棚奥には配線用の隙間がある)つくりになっていますが、固定棚には配線孔が開いておりません。(開けるのも不可)

必然的に固定棚より上に家電製品を収納する場合は、背板穴あけが必要になります。

ご新築時であれば、その位置(背板穴あけ可能範囲内)に壁コンセントを持ってくるように計画し、背板の穴部分の壁コンセントから直接電源を取ることが可能です。
そうでない場合は、今回と同じように円型のコード配線用の穴を開け、壁コンセントまでの配線計画を立てる必要があります。

壁面収納は設置後に配線が出来ない場合があるため、家電類の使いやすさ(高さや位置・動線など)を含め、慎重に計画を立てる必要があります。


今回の実例内容(全体像)

上記のポイントをもとにお打合せを重ね、今回は下の写真のようなL型レイアウトとなりました。

正面から:パールホワイト色はより圧迫感を感じにくいですね
左側から:「置く前よりスッキリして広く感じる!」と言っていただきました
右側から:カウンターとTVボード部分とのバランスもよい感じです^^
今回のTVボード部分は「PJC-1200」です
扉を開けるとこんな感じです。たっぷり収納ができそうですね!


【パモウナPJシリーズ・壁面収納部分】
①上置ハイタイプ:PJ-VH60U
②上置ハイタイプ:PJ-VH120U
③キャビネット(フレキシブルタイプ):PJC-602
④TVボード:PJC-1200
⑤サイドキャビネット:PJC-OCR7
⑥壁掛けTV金具:XW-2
⑦背板穴あけ:XQ-50

【パモウナPJシリーズ・カウンター部分】
①天板:PJY-2T
②下台(左・中) 引出収納:PJY-43
③下台(右)引出+扉収納:PJY-60
※本体色:パールホワイト
※天板色:パールホワイト(天板左奥に配線孔×1ヶ所)

【サイズ】
※壁面収納+カウンター全体サイズ:W3400*D416*H2487mm(CH2500mm)
※上置:W1800*D416*H767mm(CH2500▲本体1720▲設置余裕寸法13mm)
※サイドキャビネット:W200*D416*H2487mm
※天板:W1400*D416*H24mm


壁面収納部分

TVボード:PJC-1200
TVボード上部収納は幅1200・1400mmは開き扉になります

TVボード上部収納は幅1200・1400mmと、幅1600・1800mmでつくりが異なります。
◎幅1200・1400mm:収納内部有効高さ311mm、開き扉(1200は扉3枚・1400は扉4枚)
◎幅1600・1800mm:収納内部有効高さ180mm、フラップ扉(両方とも扉2枚)
サイズが大きくなると、上部の収納の高さが薄くなります。
 

TVボード天板の奥にも配線孔あり

今回は背板部分を通しているので配線は見えませんが、天板上(中央・奥側)にもキャップ付きの配線孔があります。
 

TVボード下:中央の間仕切り板の右側に4口コンセントがつきます

奥側は背板なしのつくりになっています。
壁との隙間もあるので、配線を通すことができます。

また、手前のフラップ扉はガラス製なので扉を閉めた状態でもリモコンが効くつくりになっています。
 

フラップ扉収納の下は引出しになっています


壁掛けTV金具:XW-2
TVボードバックパネルに金具を取付けることで壁掛け仕様にできます
上に向けたり…
下に向けたり…
左に向けたり…
右に向けたりできます!

壁掛けTV金具は可動範囲が広いため、例えばキッチンやダイニング側からテレビが見たい場合や、ソファのレイアウトを変えた場合などでも見やすい位置に調整が可能です。

フレキシブルタイプ:PJC-602

TVボードの左側には「フレキシブルタイプ」のキャビネットをレイアウトしました。

左側可動棚+右側ハンガーパイプ
右側のハンガーパイプスペースにも可動棚用のダボ穴が開いているので…
ハンガーパイプを外せば右側に可動棚をとることも可能です(フレキシブル!)

人気の「フレキシブルタイプ」はハンガーパイプの着脱ができて便利です。
※ただ、収納内部の有効奥行が393mmのため、特に男性用の上着を掛ける場合は、斜めに掛ける必要がある点にはご注意ください。この辺りは奥行が浅いPJシリーズのデメリットと言えるかもしれません。

固定棚上の部分:右下に背板穴あけをして配線孔を開けています

固定棚部分には穴あけができないため、固定棚より上に電源を取る必要がある場合は何かしらの「背板穴あけ」が必要になります。
今回のように背板穴あけ部分に直接壁のコンセントが来ない場合は、壁面収納設置後に電源タップ(延長コード)などを背面に通すことが難しいので注意が必要です。
※設置するものに応じて、事前に十分な長さのコード類(電話線・FAX線・LANケーブルなど)の準備が必要です。
 

サイドキャビネット:PJC-OCR7(幅200mm)

テレビボードの右側には幅・高さのオーダーが出来る「サイドキャビネット」をレイアウトしました。

他にも幅・高さのオーダーができるアイテムとして「サイドドアフィラー」がありますが、今回は端部でのレイアウトではないため、必然的に「サイドキャビネット」となりました。
※「サイドドアフィラー」は側板がないので壁際にしか設置不可
※「サイドキャビネット」と「サイドドアフィラー」の違いについては、こちらの記事をご参照ください。
beorc.hatenablog.jp

サイドボックス上部:オーダー高さにより、固定棚・可動棚の位置や枚数が変わります
サイドボックス下部:床からH455mmまでは背板なしのオープンなつくりです
サイドボックスは基本的に端にレイアウトするアイテムのため…

サイドボックスは基本的に端にレイアウトする想定のアイテムのため、今回の例で言うと、向かって右側のアイテムとの左右連結(固定)はできないつくり(連結用のビス穴が開いていない)となっています。


カウンター部分

天板:PJY-2T(幅1400mm)
カウンター部分は「引出収納(幅400mm)×2」+「引出+扉収納(幅600mm)」+「天板」の組合せ

天板は幅により金額が異なります。
◎PJY-1T:幅400~1100mm
◎PJY-2T:幅1101~1700mm
◎PJY-3T:幅1701~2400mm

ちなみに天板のお色は全6色から選べます。(今回は本体面材にあわせてパールホワイト色をお選びいただきました)
◎パールホワイト
◎グリジオーク
◎ウォールナット
◎ビターエルム
◎セラミカネロ(天板専用色)
◎セラミカライト(天板専用色)

配線孔:キャップ閉じているところ
配線孔:キャップ開けているところ

天板上には左右2ヶ所まで配線孔をつけられます。(今回は向かって左側1ヶ所のみ取付け)

引出+扉収納:PJY-60
引出+扉収納:幅は600mmまたは800mmから選べます
上段が引出です
下段の開き戸内には可動棚が1枚つきます


引出し:PJY-43
引出収納は幅400mmのみ
最下段の最大収納可能高さは239mm

意外なのが引出収納の幅の設定が400mmしかない点です。書類などの収納に便利なため、もう少し幅のバリエーションがあってもよさそうな気がします。

ただ食器棚とは引出内部やレールのつくりが異なるので、その辺が難しいのかもしれませんね。
※有効高さについては後程「注意点」として触れます。


側面コード穴部分(各アイテム左右共通位置)

各アイテムには共通位置(床からH250mmの高さ)に配線用の穴が開いています。そこを通して壁のコンセントから電源やFAXの配線をする形になります。

最初の部分でも触れましたが、後から電源タップ(延長コード)を通せない場合もあるので、事前に十分な配線計画が必要になります。
※オプションで本体付属の4口コンセントのコードを延長することも可能です

今回は右端の壁のコンセントから電源をとる必要がありました
「引出+扉収納」の奥部分:このように収納内で配線をします
「引出収納」の奥部分:引出の奥の共通位置に配線孔があります


今回気付いたPJシリーズの注意点

壁面収納は食器棚ほど数が出ないので、設置して初めて気付く点もあります汗
今回設置後に気付いた注意点を2点ご紹介します。

FAX線(モジュラーケーブル)の事前準備必須!
電源だけでなくFAX線も事前準備が必要です!

「収納内にプリンターを取りたい」という事例は過去にもあり、「電源をどうとるか」という点には注意がいっていたのですが…今回はFAX付きの電話機を置きたいというご要望があったのに……事前に十分な長さの通信用のFAX線(モジュラーケーブル)をご用意いただくのを忘れていました!😱😱😱

幸い壁面収納の背面に電源コード分の隙間があり、(FAX線自体はそれよりも薄いため)なんとか壁面収納設置後にFAX線を通すことができました!
※モジュラージャック部分は配線後に取付け

福岡県のお客様だったので、私が直接訪問して対応できたのも不幸中の幸いでした。壁面収納内にFAXを置きたい方は、十分ご注意ください。
ちなみに電話線とFAX線は種類が異なるようです。(極数・芯数)
おそらく無線ルーターなどはTVボード下に置く場合が多いため大丈夫だとは思いますが、もしLANケーブルが必要な機器をキャビネットの固定棚上に置きたい場合も、事前準備にご注意ください。

引出収納にA4ファイルは入らない

こちらは納品後にお客様より教えていただいた、貴重な情報になります。こういう実際にご自身で購入された方の「生の声」は非常に有難いです🙏

カウンター部分の引出収納(PJY-43)の最下段ですが、最大収納可能高さが239mmとなっており、市販のA4ファイルは入らないため注意が必要です。

A4サイズの用紙や、クリアホルダー(縦310*横220*厚み0.2mmなど)は入るのですが、写真のようなA4ファイル(縦307×横242mなど)になると高さが足りません涙

A4ファイルが入りそうな雰囲気はあるのですが…
向きはこちら側でも大丈夫なのですが…
高さが足りません!涙

もちろん斜めにしたり、寝せれば入るのでしょうが、背表紙がみえてなんぼのところがありますよね!?

TVボード下部のように、床ギリギリまで収納にとれればベストですね

TVボード下部の引出部分は、床ギリギリのところまで引出収納として活用できていました。こちらのアイテムも、あともう少しだけ有効高さがとれれば、A4ファイルが入って使い勝手がかなり向上すると思います。この点は今後の改良に期待したいところです。

というわけでO様、貴重なご意見まで聞かせていただき、誠にありがとうございました!
O様には食器棚も同時にご購入いただいたので、あらためてご紹介いたします。

関連記事

同時にご購入いただいた食器棚の実例です
beorc.hatenablog.jp