interior design office BEORCブログ|居心地のよいインテリアデザイン・リフォーム|NCDのカラー&イメージ講座|福岡

ベオークのブログへお越しいただきありがとうございます。当社は福岡市にあるインテリアデザイン&リフォーム・リノベーション会社です。デザイン(インテリア全体が調和するご提案)と施工の両方ができるのが強みです。このブログでは主に当社の実例と、株式会社日本カラーデザイン研究所(NCD)と共催するカラー&イメージ講座についてご紹介します。Instagramからお越しの方は、「ブログ内検索」や記事に付けている「タグ」から該当記事をお探しいただけると幸いです。よろしくお願いいたします。

狭いリビングに置くべきソファ・インテリアのポイント

狭いと言ったら怒られそうですが…

昨年・今年と同じような間取りのマンションモデルルームのお仕事をさせていただきました!リビングの右側に洋室があり、その出入りのための動線を考えると実質的な奥行は約2m。ソファ、TVボード、センターテーブルのレイアウトも限られてしまいます。
 
 
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モデルルームは第一印象が命

戸建て住宅展示場だと一般家庭より広いケースが大半ですし、間取りは自由に変えられます。しかしマンションモデルルームの場合は基本的には間取り(外枠)はお客様の新居と同じです。内部の間仕切りをなくすなどの設計変更で広く感じられるよう対応できる場合もありますが、それがしづらい間取りというのも結構多いのです。それでも、ご来場いただいたお客様に「狭い!」と思われたらアウトという非常に厳しい戦いとなります笑


場所をとるのは…?

狭いリビングダイニングを極力広く感じられるようにする場合、まず「ソファとダイニングセットをどうするのか?」というのが大きなポイントになります。食事の仕方やLDでのくつろぎ方などで「あえて置かない」という選択肢もあると思います。最近は高さをあわせてソファ+ダイニングテーブルといった商品もあります。ただ今回のような間取りではそれはそれで配置が難しいのですが^^;


置くべきソファのポイント

特に狭いリビングだと、必然的にソファの占める割合は大きくなります。今回のように入ってすぐにソファが目に入るレイアウトでは、選ぶソファを間違うとLDに入った瞬間に「狭い!」と感じてしまいます。スペース的にL型の配置は無理なので、2.5人掛けなど小ぶりなサイズのソファを選ぶことになります。

実際の寸法以外に気を付けるべきポイントとして…
◎背が低め
◎脚付きで下が抜けている
◎アームなど細めのデザイン
◎角ばってない、角に丸みのあるデザイン
◎大柄よりは無地の張地
◎色は濃い目で締める or アイボリーや白など目立たせない

などがあげられます。


基本的に「存在感が出すぎない(圧迫感を感じない)」「空間の抜け感・広がりを邪魔しない」「空間に調和している」といった点を気を付けるとよろしいのではないかと思います。

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今回のモデルルームのイメージにぴったりです

上記の観点で選んだ実例①カッシーナのブーメランソファです。床の白は決まっていたので、張地は無地で、色はトレンドのグレー色。色は目立ちませんが、デザイン性でほどよい存在感があります。小物などでこちらもトレンドのパステル色や濃い青をアクセントにもってきました。

ちなみにこの時のモデルルームのダイニングセットはこちらの記事でご紹介しています。


ソファ以上に気を付けるべきこと

実際に選ぶソファについては上に書いたことを気を付けていただくと良いと思います。ただ、それ以上に重要なことがあります。それは…

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あえての柄物です。色味が調和しているので圧迫感を感じません。

実例②です。概ね上記のポイントをクリアしていますが、カッシーナのものよりデザイン的にボリュームがあり、柄も大柄で目立ちます。奥のレースにも花柄を入れ(ドレープが奥、レースを手前としています)、こう文章を打っていても圧迫感がありそうな感じがありありとします笑 写真の角度が違うので厳密な比較が難しいですが、実際は圧迫感は感じず、バランスがとれていてセンスが良いと非常にご好評をいただきました。

実は広さを感じさせるために必要なのは…「視線の動き」です。
例えば今回のように奥行があまりないケースでは、一番距離のない部分に視線がずーっと留まるとやはり「狭い」と感じてしまいます。逆に同じ広さの空間でも、一瞬手前に視線が留まり、続いて遠い位置に視線が留まるというように、視線に動きと距離が出ると空間の広がりを感じやすくなります。

実例②のケースでは、ソファ自体は①より圧迫感を感じやすいのですが、奥のレースの花柄、テレビ裏の壁の木質パネル・小物などにポイントを置き、実際の広さ以上に広く感じていただける空間へと仕上がりました。


その他のテクニック

最後に実例①②でリビングを広く感じさせるために気を付けたその他のポイントをまとめたいと思います。

ガラス素材のものを使う

実例①のセンターテーブルですが、天板がガラスのものにし、透けることで空間の広がりを感じられるようにしました。サイズが小ぶり・高さが低い・丸い形状と広く感じさせるその他の要素も満たしている優等生です。

天井迄の高さの建具に変更

工事が必要にはなりますが、垂れ壁があるとどうしても区切り感がでてしまいます。上部の垂れ壁をなくし、天井までの高さの引戸に変えると、開けたときに一つの空間としてより広々と感じることができます。実例②のように建具を半透明の素材にすれば、明るさも感じられ、より広く感じられると思います。

照明器具をLEDダウンライトに変更

通常はシーリングといわれる照明器具を天井につけるのですが、ダウンライトにすることで見た目がすっきりとし、広く感じる効果は増すと思います。新築マンションの設計変更では多く採用いただいています。

石・タイルではなく木

マンションモデルルームではよくリビング壁にアクセントで石やタイル貼りをします。分かりやすい高級感を出すには良いのですが、ある程度広さがないと圧迫感を感じることも。今回は心理的な圧迫感を感じさせず、かつ視線を留めるアクセントとして木質パネルを採用しました。ほどよい存在感で視線を留め、空間に優しい上質感が生まれました。調湿機能もあり、インテリアのトレンドとしても「木」はかなりの注目素材なので良いことづくめですね。

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絵画や小物にポイントカラーを

上でも書きましたが、いかに視線を動かすか…。やみくもに動かせばいいというものでもないので難しいのですが、横方向と縦方向、ポイントとなる場所に絵や置物を飾って視線を留めるとよいと思います。そこにポイントカラーを持ってくるとより効果的です。あらかじめお部屋全体のテーマカラーと、ポイントに持ってくるカラーを決めてみると良いかもしれません。その場合に色の分量とバランスに気を付けてみてください。


コーディネート・アドバイスだけでもお気軽に

最近はありがたいことにブログからのお問合せが増えています。新築戸建やマンション購入のお客様から、客観的なアドバイザーとして間取りやインテリアについてのアドバイスのご依頼をいただくことも多くなってまいりました。もちろんソファ・ダイニングセット・TVボードなどの家具・カーテン類の購入の場合も、今のお住まいにあわせてきちんとアドバイスさせていただいた上でご提案しております。いずれも格安料金でやらせていただいておりますので、是非何でもお気軽にご相談ください。

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↓視線の動き・フォーカルポイントについて書いています
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